客人日記

どんどんたのしい

先日、不思議な夢を見た。

訳もなく、その夢について書いてみようと思う。

 

私はいつもの服で、道を歩いている。どうやら家の近所のようで、家に向かうような気持ちだった。

道は、少し大きな通りにぶつかり、私は右に曲がる。ふと、背中に何かが触った。手だ。

 

左のほうを見ると人がいた。小中学校の頃、好きだった女の子。

そう認識はしたものの、顔かたちははっきりしない。オレンジ色の自転車に乗っていた。

彼女は私の背中をそっと押しながら、前を向いて黙っている。

私は「久しぶり。」とかなんとか言って、笑った。彼女は私のほうを向いて、何か言って微笑んだ。

 

それから私は何か、自分のことについて話しだしたように思う。最初は冗談めかして笑っていたが、次第に言葉が詰まって出て来なくなる。ぽつりぽつりと、拙い言葉を紡いで、何かを伝えようとして、でもできなくて。

俯いて、段々と足が遅くなる。

もどかしくて、心がいっぱいいっぱいになってきた。足を止めたくなった。そんな間も彼女は私の背中をそっと押している。

 

私は彼女のほうを見た。彼女は優しく微笑んでいて、そして、何か言って頷いた。

私は何か言おうとするのを止めて、また前を見て、歩き続ける。

 

遠く、蒸気機関車の汽笛が聞こえた。一度、二度。

気付くと目が覚めていた。汽笛の音は、大井川鐵道で買った目覚まし時計の音だった。

 

背中にまだ、ほんのり温かい感触が残っているような気がした。

 

彼女は今、一体どこで何をしているんだろうか。あの頃の連中の現在に、あまり興味はないし、関わりたくもないが。